大阪府が「行政代執行」によって、保育園のイモ畑を強制収用したニュース。
≫大阪府サイド
- 2003年(5年前)から用地買収の交渉を開始
- 2008年4月に西日本高速道路会社に所有権移転済み
- (畑の)土地所有者の松本氏(保育園理事)は執行停止の申し立てをしたが、10月1日却下(抗告中)
- 代執行前の10月11日~13日の3連休に「イモ掘り」行事の前倒しを提案
- 代執行を2週間遅らせる事で通行料収入に6~7億円の損が見込まれる
≫保育園サイド
- イモ掘りは10月31日に他の保育園と共同で行う予定だった
- 2週間前倒しではイモが十分な大きさに育っていない(大阪府4の提案)
- 代執行で職員100人近くが囲む中では、楽しくイモ掘りできない(大阪府4の提案)
- そもそも道路事業の必要性に問題があり「第2京阪道路」の建設も違法だ
- 子どもを動員して抗議した事実はない(通園途中の園児が通りがかっただけ)
J-CASTニュース : 大阪の「涙の園児イモ掘り」問題 行政のごり押しなのか
双方いろいろと言いたい事があるのだろうが、要は大人の事情で、それに子どもたちが利用されてしまった感じですね。
マスコミが記事を面白くする為に、でっち上げたとでもいいましょうか。
その場で子どもたちが、涙を流したのは事実かもしれないが、その涙の意味はあっているのか?
- 重機を持ち込んで大人たち100人近くが大声で作業しているのにビビッて泣いただけでは?
- マスコミ記者が難しい言葉で子どもたちに迫り、泣かしたのでは?AA
感想としては、府の対応はまあ順当だろうと思う。大阪府と言えば、赤字を解消し、少しでも収入の見込める事業を優先するのは当然じゃないだろうか。
民間企業でも6億、7億円の収入が見込めるなら、多少無理をしても予定通りに進めるし、さらに前倒し、早期に運用開始を検討するだろう。
むしろ、「あと2週間」という微妙な期間を残した事が失敗じゃないだろうか。
種イモを植える前の段階で執行できていれば、こんなニュースにはならなかったのだろう。
しかし、松本理事の執行停止申し立てが地裁に出ており、その結果がでるまでは動けなかった。
今後の課題は、子どもたちの親が子どもに対し、この出来事をどのように伝えるか(理解させるか)が問題じゃないだろうか。
頭ごなしに、府が悪い。強制執行で、保育園を無茶苦茶にした。
っていう親もいるかもしれない。
それは、目の前の出来事しか見ていない子どもには理解しやすい話かもしれない。
しかしそれでは出来事全体の1割も見えていない視野の狭い理解にしかならない。
大人になって、おのずと分かる事もあると思うが、世の中の出来事は、善と悪の2つに分けられるものが全てではない。むしろ、分けられない物の方が多い。
- 大阪府は道路事業を急ピッチで進め、多くの通行収入をあげ、行政に生かしたいと思っていた。結果、子どもたちの将来の為にもなる。
- 松本理事は「子どもたちが楽しみにしている行事」を予定通りに進めてあげなければいけないと思っていた。
- 道路を作ることが、子どもたちにとって(直接的に)関係ないと思っている。
双方に「善」として主張する部分があり、「悪」として非難する部分がある。
それをお互いが理解しあい、双方の善の部分を最大限に活かせる提案を生み出す交渉が必要なのであって、今回のように大人が、双方意固地になっていたのでは、「大人の事情」とは言えないのじゃないだろうか。
大阪府は、将来を見据えた計画を善として主張している。
保育園は、今いる子どもたちの事しか見えていない。
そんな風に思ったニュースでした。